sobota, 29 stycznia 2011

『野良犬』

現在私は黒澤明の『野良犬』(のらいぬ)について卒業論文の一章を書いているので、今回はこのテーマに注目したい。
『野良犬』1949年に黒澤明監督により製作された日本の映画である。『野良犬』の製作途中、黒澤はベルギーのフランス語で書く小説家で、推理作家のジョルジュ・シムノン(Georges Simenon)に夢中になり、シムノン風に映画制作したようである。

この作品のストーリーは実話に基づいたものだそうである。「これは実話なんです。物資が無かったあの頃、ピストルを盗まれた運の悪い巡査がいてね・・・」と、黒澤は語っていた。
このアイデアに取り付かれた黒澤はいったん小説に書き上げ、映画化した。

内容はある猛暑の日、ある刑事がバスの中で、拳銃を掏られてしまう。彼はベテランの刑事の指揮の下、盗んだ拳銃(けんじゅう)を探している。しかし、その最中にも刑事の拳銃を使った殺人事件が起きてしまう。彼らはこの殺人事件の犯人幼馴染みで、レビューの踊り子を訪ねて行く。そこで、年配の刑事も拳銃で撃たれてしまい、若い刑事はただ独り、殺人を追い詰め対決のの瞬間を迎える。

明らかに『野良犬』はフィルム・ノワール(film noir)の影響を受けたと思われる。脚本だけではなく、白黒を基調とした光と影のコントラストを生かした画面作りが見事である。また『野良犬』の中によく見せられた遠近法(えんきんほう=パースペクティブ)から外れた画面構成とか、レボルバー及びタバコ煙を使用したシーンもフィルム・ノワールの特徴である。

黒澤明がフィルム・ノワール風に映画を公開したのは何故であるか皆さんも自分の意見を述べてほしい。





関係書目:

『黒澤明の世界』佐藤 忠男、朝日新聞社、東京1969
『More than Night: Film Noir in Its Contexts』 James Naremore,University of California Press 1998

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